子どもから教えられること
今週、印象に残った出来事。
ある朝、2年生の子がトマトの鉢の前で泣いていました。隣に立っている子もとても困った顔です。トマトがどうかしたのかなと思い「どうした?」と声をかけると、「家の犬が死んだ。」と声をあげて泣きます。友達はそれを聞き、慰めたいけれど、どうしたらいいかわからず、困った顔なのです。大人の私もどう言ってあげたらよいか悩み、「悲しいね。辛いね。そういう時はいっぱい泣いていいんだよ。」と背中をなでるしかありませんでした。友達の子は、「校長先生。こういう時は『天国で見ているから大丈夫だよ』って言えばいいの? でも悲しいのはなくならないよね。どうしたらいいんだろう。」と聞きます。「死」を受け入れるのは、大人でも難しい。それを、今この子が、そして友達が直面している。
その後、教室に行ってみると、悲しそうな子を心配そうに見ながら、ただただ一緒に寄り添う子どもたちの姿がありました。どんな言葉がいいかわからないけれど、寄り添うことが一番なのだと改めて子どもに教えられました。
1年生の国語の教科書に『ずっと、ずっと大好きだよ』というお話があります。飼い犬をなくした男の子の話です。2年生の子が「あのお話思い出したの。あんなふうに大丈夫になるといいな。」とつぶやいていました。