令和6年度 河北町立西里小学校
学校いじめ防止基本方針
1 いじめ問題に関する基本的な考え方
(1) いじめの問題に対する基本認識
①「いじめは本校の子どもにも、本校でも起こりうる」との共通認識について
子どもが接するメディアやインターネットを含め、他人の弱みを笑いものにしたり、暴力を肯定していると受け取られるような行為を許容したり、異質な他者を差別したりするといった大人の振る舞いは、子どもに悪影響を与えてしまうことを認識し、「いじめは絶対に許されない」「いじめは卑怯な行為である」「いじめは本校の子どもにも、本校でも起こりうる」との共通認識を持つこと。
また、教師の言動がいじめの間接的原因になりうる場合もあり、児童への教育的指導に配慮を要する必要性を十分認識すること。
②「いじめの定義」について
【いじめの定義】 平成26年6月公布「いじめ防止対策推進法」より
児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの。
「けんかやふざけ合いであっても~」「好意で行った行為でも~」当該行為の対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものは、いじめと認識すること。
③「重大事態」の共通認識について
「いじめ」の中には、子どもの生命、身体又は財産に重大な被害に通じる可能性が考えられ、その場合には、教育的な配慮や被害者の意向への配慮の上で、早期に町教委や関係機関と相談・通報の上、連携した対応を図ること。
【いじめの態様】文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」より
1 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。
2 仲間はずれ、集団による無視をされる。
3 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。
4 ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。
5 金品をたかられる。
6 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。
7 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。
8 パソコンや携帯電話(スマートフォンを含む)で誹謗中傷や嫌なことをする。
9 その他
④担任等のいじめ情報の報告義務について
教職員は、些細な兆候や懸念、児童からの訴えを受け、個人で判断せずに直ちに学校の対策組織に報告・共有する義務があること。怠れば、懲戒処分の対象となる。
⑤いじめの解消について - 少なくとも、3ヶ月以上の経過措置を見ていく。 -
この間、以下の要件を満たす必要があること。
・「いじめに係る行為が止んでいること」:被害者に対する心理的行為または物理的影響を与える行為が止んでいることが相当の期間継続していること。
・「被害者が心身の苦痛を感じていないこと」:被害児童及び保護者に面談等で確認すること。
⑥教育的課題等から特に配慮が必要な児童生徒について
学校として、日常的にその特性を踏まえた適切な支援・指導を組織的に行うこと。
・発達障害を含む障害のある児童生徒がかかわるいじめ。
・帰国子女、外国人の児童生徒、国際結婚の保護者をもつなどの外国につながる児童生徒へのいじめ。
・性同一障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対するいじめ。
・東日本大震災による被災、原発事故により避難している児童生徒へのいじめ。
・新型コロナウイルス感染症の疑い、または感染した場合に起因するいじめ。
(2) 学校と保護者、地域との連携
①「河北町立西里小学校 いじめ防止基本方針」について、PTA総会やホームページ等において、保護者や地域の方にわかりやすく表現し、広く理解を得ること。
②スマートフォン、インターネットいじめ(掲示板、メール、SNS等)を含むいじめの問題について、PTA研修会等で協議する機会を設け、保護者や地域と連携し、早期発見・早期対応のための対策を継続して推進すること。
2 いじめ防止のための取り組み
(1) いじめ防止のための組織(法22条:必置)と具体的な取り組み
・いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、下記関係者からなる「いじめ対策委員会」を置く。
校内職員
校長、教頭、教務主任、関係担任、生徒指導主任、教育相談主任、 養護教諭
校外関係者
河北町教育委員会、PTA会長、学校評議員、民生児童委員代表、山形警察署生活安全課少年補導専門官
・当該組織は学校が組織的にいじめの問題に取り組むに当たって中核となる役割を担い、下記の具体的取り組みを行う。
○学校基本方針に基づく取り組みの実施や具体的な計画の作成・実行・検証・修正等を行う。
ⅰいじめを正しく理解し対応するための校内研修や職員会議等の情報提供の機会を設定する。
ⅱ学校の教育活動全体を通じ、児童が活躍でき、他者の役に立っていると感じることのできる機会を全ての児童に提供し、児童の自己有用感が高められるようにする。
○いじめの相談・通報の窓口としての対応を行う。
○いじめの疑いに関する情報や児童の問題行動等に係る情報の収集と記録、共有を行う。
○いじめの疑いに係る情報があった時には緊急会議を開き、いじめの情報の迅速な共有、関係児童への事実関係の聴取、指導や支援の体制・対応方針の決定と保護者との連携等の対応を組織的に行う。
〇保護者との情報のやりとりについては、連絡帳や電話ではなく、原則、面談とし、緊密な連携を継続していく。
(2) 児童生徒理解に基づくきめ細やかな教育の推進
① 日常の子どもの様子の把握
・朝の登校時から全職員による子どもへの声がけ、子どもの様子や表情を観察する。
・児童の欠席については、朝のうちに情報を共有する。欠席の連絡確認が取れない場合は、朝のうちに保護者へ連絡を取り、状況を把握する。
・毎週の校務会、担外打合会、職員打合会を通して、児童の情報を集約する。
② いじめの理解、組織的な対応、指導記録の生かし方等に関する研修計画
・いじめに係る研修を年間計画に位置づけ、いじめを生まない学級経営等の校内研修を行い、教職員の共通認識を図る。
・「特別の教科 道徳」の充実、「生徒指導の三機能を生かした授業づくり」(自己決定の場、自己存在感、共感的人間関係)について研修を深め、いじめ問題の未然防止に努める。
③ 子どもの情報の集約と対策、解消までの取り組みを確認。
・いつでも教師に相談できる児童との人間関係づくりに心がける。
・子どもの情報は、全職員で共有できるように教頭を中心に情報を集約し、その対策とその後のいじめの解消について責任をもって取り組み、町教委へ報告を行う。
④ 子どもを語る会等の情報交換の場の設置
・「子どもを語る会」において子どもの情報の共有し、校長が必要であると認められる場合は、すぐにケース会議を開き、その具体的対策を検討し継続的に取り組む。
⑤ 定期的なQ-Uテスト、アンケート等を通して、子どもの状況を的確につかむ。
・「Q-Uテスト」(5月、10月の年2回)、「学校生活アンケート」(学期毎)
いじめに関する保護者アンケート調査(6月、11月)等。
⑥ 保護者、地域との連携による情報収集
・PTA総会で、「学校いじめ防止基本方針」をわかりやすく説明し、学級懇談会、家庭訪問、学校(学級)だより等を通じて、保護者や地域からの情報をすばやく全教職員で共有する。
⑦「学校いじめ防止基本方針」の見直し
・取り組みの反省をもとにして、全職員を通して、見直しは毎年行っていく。